千葉西総合病院
「断れば亡くなる可能性ある患者さん断るなどできない」
新型コロナウイルス感染者数が昨年11月以降、第3波の襲来により急増、1月上旬には1日当たりの新規感染者数が約8000人に上った。その後、再発令された緊急事態宣言により、感染者数はピークを越えたように見えるが、死者数や重症者数は増加、予断を許さない状況が続いている。こうしたなか民間医療グループである徳洲会では、多くの病院がコロナ患者さんの受け入れに尽力、最善の医療提供に努めている。今号では徳洲会病院のコロナ対応の一端を紹介する。
高齢の患者さん増加 ほぼ満床状態が続く──────千葉西病院

昨年5月、敷地の一角にプレハブの独立型伝染性感染症病棟(CIWS(シウス))を開設した千葉西総合病院。昨年11月に拡張し、一般病床10床、処置室20床、HCU(高度治療室)10床に増床した。現在、内科を中心とした医師に加え、看護師10人、リハビリテーションセラピスト2人を専属で配置し、スタッフが疲弊しないようローテーションを組みながら、軽症から重症まで対応している。「大きなストレスのなか、スタッフは本当に頑張ってくれています。連携も円滑で、とても助かっています」(須藤麻美・看護師長)。
リハビリセラピストを専属にしているのは高齢の患者さんが増えたためだ。第2波の頃までは若い患者さんが多かったが、第3波からは高齢の方が増加。ADL(日常生活動作)を維持する目的で専属にした。また、高齢の患者さんが増えた結果、入院期間は長期化。「患者さんのほとんどが70代以上で、入院期間30日超の方が現在10人程度。ほぼ満床の状態が続いています」(中野康広・事務部長)。こうした状況をふまえ、最近は県内の医療機関と連携を図りながら、後方病院の確保に尽力している。
三角和雄院長は「CIWSはイージス艦を守る最終兵器〝CIWS〟になぞらえ、当院を守る〝切り札〟という意味合いもあります。独立したコロナ専用病棟により、コロナ医療と通常医療を両立し、その両輪で地域の方に安心して治療を受けていただけるよう取り組んでいきます」。
→徳洲新聞号1273掲載