徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)11月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1414 2面
熱性けいれんは、生後6カ月~5歳までの乳幼児に起こる通常38度以上の発熱をともなう発作性疾患。全身が硬直して、手足が大きくピクついたりするのが一般的な症状だが、なかには突然、一点を凝視し動かなくなったりするケースもある。
「熱性けいれんという言葉で誤解されやすいですが、けいれんを起こさないタイプもあります。どちらも意識障害があり、反応がないのは共通しています」とソフィアクリニック(沖縄県)の喜友名琢也院長は説明する。乳幼児の9%程度で起こり、多くは1回きりの発作だが、30%ほどは複数回、起こることもある。
熱性けいれんには単純型と複雑型がある。「複雑型」は、①発作が15分以上、②体の一部分や片側のけいれん、③24時間以内に発作を反復する――ものをいい、「単純型」はそれ以外のものと定義される。単純型のほとんどが予後良好で、熱性けいれんの80~90%を占める。
症状により、発作を防ぐための薬物投与を行う場合もあるが、熱性けいれんのほとんどが単純型であり、多くの症例で予防投薬を必要としない。「熱性けいれんは良性ですが、重篤な中枢神経系感染症などが原因で起こることもあるため、発作が起こった際は必ず受診するなど、適切な対応が必要です。とくに、けいれんが5分以上続いた場合は躊躇せず救急車を呼んでください」(喜友名院長)。